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near2図書館 館長こと、にゃんちー。私の読書感想文と、頭の中の本をご紹介。日々の徒然(凸凹日誌)

どう捉えて生きていくのか【読書感想文】

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こんばんは。にゃんちーです。

 

今でこそ、こういうblog書いていますが、しばらーく、いや、本当に長いこと活字から離れていました。

本当に本を読む時間なんかなくて。(駄洒落じゃないぞっ)

 

とある人からのオススメの本を、素直に読んでみて、読書復活を遂げて今に至ります。ここ数年の読書離れから、無事生還を果たしたにゃんちー。今日は活字離れから脱出したきっかけになった本をば。

 

『悪魔とのおしゃべり』 さとうみつろう

 

サンマーク出版から拝借しました。

が、説明がなってない!笑

結局自力でかかな、ならんではないか。えーっと…本の装丁のごとく、悪魔とみつろうとの会話で話が進んでいきます。簡潔さを求める方には、読みにくいかもしれません。私は答えを先に欲しいタイプなので、読書の際に、文章には的確さと簡潔さをもとめますが、それでもけらけら笑って読めました◎

章立てになっているので、もう、目次をざざっとあげます。

 

第1章 正しさを、疑え!
第2章 怒れるヒーロー
第3章 人間スーツ
第4章 身体は、神殿
第5章 脅し始めた、お守り
第6章 リンゴの主張
第7章 イイヒマニア
第8章 宇宙システムの始まり
第9章 この世は、勘違い合戦
第10章 運を悪くする、良い方法
第11章 あなたは、宇宙の孫の手
第12章 あなたは何も悪くない
第13章 不可能とは「正しさ」を乗り越えられない者の言い訳

章立てだけでも結構てんこ盛りです。本自体も分厚いです。

この本が私にクリーンヒットした理由は、間違いなく駄洒落のせいです。何を隠そう、私、駄洒落とかオヤジギャグが大好物です。ぐふふ。

悪シャワ同盟

とか出てくるんです。いいですね、知的な駄洒落です。

と、こんな少々くだらないペースで書かれていますが、中身はずっしりです。

 

 

装丁にある一言から、結構強烈じゃないですか?

正しさなんて、ただの多数決 

 

確かに!と思いました。当然なんだけれど、目から鱗とでもいうか、盲点だわ…と。

社会は多勢優勢なわけで、いつだって知らない誰かの作った「正しさ」に振り回されてしまう。なんだかそれって、実は空虚。その「正しさ」は、目に見えないので、猶更虚しい。実態がないといったほうが良いかもしれませんね。

これは世の中では法律だったり、規則だったりするんだと思います。それがないと、無法地帯になると思っているから、管理するためのツールなんじゃないかと思っています。ある種の、怠慢。

本当のことが分かっていれば、法律がないからって人を殺したりしないんじゃないでしょうか。ここ、ちょっと哲学的な話になりますが、どうして人を殺してはいけないの?という問いになると思います。

人を殺すのに道具のチカラを使うと思います。道具に人を殺す資格がないんじゃないかと。人の首を絞めて殺そうと思ったら、結構しんどいですよ、多分。自力でやろうとおもったら、殺す側も多少の痛みを伴うわけです。

そして、そもそも、人間だろうが他の動物だろうが、命に重さはない。

どちらが大事ということもない。だから殺していい理由はない。

殺してはいけない理由も曖昧なものしかないかもしれないけれど、殺していい理由もないのです。そんなこと、個々にきちんと理解していればいいだけの話なのではないでしょうか。

昨今、教育現場では道徳の授業が云々言うておりますが、かくいう先生方は道徳的なのかが甚だ怪しいと存じます。先生たち、道徳の授業まともに受けてないんじゃないの…。受けていたらセクハラとか、隠し撮りとかしないだろうよ。

 

 

それで思い出した!

中学生の頃に外部講師が来て道徳のような授業がありました。

死体って、4体のこと。じゃあ五体満足というけど、5体はどこでしょうか。という問いを一人一つずつ答えさせられたことがありました。頭、胴体、腕、脚。

5つめ、私に回ってきちゃって…間髪なく「心」と答えました。早い話が正解だったのですが、クラスメイトのざわつきと、面食らった!俺の役目が!と言わんばかりの目をかっぴらいた外部講師の反応が今でも忘れられません。

私にとって、とかく難しい問題じゃなかった、というだけなのですが。だから何?と一言余分に放ったことだけは反省しております。はい…反抗期だったものですから、つい、ね。

 

脱線してしもた。

 

どうしてこの本で読書復活を遂げたかというと。自分の頭の中にあったことと同じ内容が多く書かれていたからです。一番は、イヒヒマニアの章でした。

イヒヒマニアの章では、男女の交際が例えで出されていましたが、

始まったのではなく、終わり始めた のか。p.248

私はこれに大いに共感しました。こんな変なこと思っているの、自分だけじゃなかったのかー!と驚きもしたし、少し嬉しくもありました。あ、私、変じゃないかもしれないという錯覚。いいんです、ちょっと変なのは自覚しています。

そしてこのイヒヒマニアの章は、まさに私がもっている、死生観と重なったからです。これについては、こちらをご覧くださいまい。ヘビーですが。

nyanchii-no-hondana.hatenablog.com

 

 

これをブランコの法則と著者は言っています。

プラスだけを貯めてはおけない。同じようにマイナスだけを貯めておくこともできない。振り子の原理で、同じ幅だけ前後に振れているだけだ、と。

このブランコに乗るから苦しむ。前にだけ進むと思っていたのに!となる。前に振れたら、振り子ですから、同じだけ後ろに引っ張られるわけです。

そこで著者は提案します。

そのブランコ、降りて外から見てみたら?と。

ブランコから降りて、客観的に見た場合、プラスもマイナスも同じ幅で振れているだけなんですよね。つまり、どちらも同じということ。

 

スピリチュアルっぽい本ですが、そうではないと思っています。

信じるか否かということもあるとは思いますが、もう少し客観的な読み方をすると得るものが多いと感じました。そして、物事にはいろんな見方があるということ。激しいブランコにわざわざ乗らなくても、少々粗い言い方になりますが、穏やかに冷静に物事を見る方法が書かれていると思います。

 

あとは、本当に信じるかどうかだと思います。

 

悪魔のようで、悪魔の発言は刹那的で普遍的です。真理をついていると感じます。

哲学をうーんと砕けて分かりやすく書いているのではないでしょうか。哲学だと思うと深すぎて沼にはまりそうですけど、これは笑って読み流せます。

だからきっと、ふと思い出したとき、ほんの少しだけ冷静に、ほんの少しだけ楽しくなれると思います。たとえ今乗っているブランコが後ろに引っ張られた状態だったとしてもです。

 

目の前に起きていることはその人にとって事実なのだが、それをどう捉えるのかで、意味は全く異なってくる。そのコツみないたものを、教えてくれる。

そんな本です。

 

お。ちょっとコンパクトにまとまったんじゃない!?

今日の一冊はこの辺で。

 

今日も皆様、お疲れ様。おやすみにゃん。