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near2図書館 館長こと、にゃんちー。私の読書感想文と、頭の中の本をご紹介。日々の徒然(凸凹日誌)

クリエイティブとは・・・【読書感想文】

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こんにちは。にゃんちーです。

先日実家に帰ったのですが、掘り出し物を見つけました。ずーっと読んでいなかったのだけど、なんだか今のご時世にドンピシャな本だったので、ご紹介🐈

 

 

『WHY ARE  YOU  CREATIVE?』 ハーマン・ヴァスケ著

ネットで著作権について賑わっているので、下手に装丁の写真をペッと貼り付けられないのが心苦しい・・・。

 

WHY ARE YOU CREATIVE ?|書籍|竹書房 -TAKESHOBO-

 

これなのだけど、竹書房の画像だと字がつぶれて見えないのよね!

Amazonさんだと立ち読み(なかみ検索)できるから、こちらをどうぞ。

Amazon CAPTCHA

 

表紙の写真あげたい・・・ぐぬぬ。

 

この本の概要

著者のハーマン・ヴァスケ氏が、55人の人たちに、

WHY ARE YOU CREATIVE? と質問をぶつける。回答者は1枚の紙に、文章ないし絵などでまとめる。インタビューしたであろう内容もある。

その回答に対し、精神科医や精神療法士が分析したコメント付き。

55人の回答をもとに「クリエイティブ」の本質に迫る1冊。

 

55人のメンツがやばい

世界中の人たちを対象にしているので、私が知らないクリエイティブな人もいたけれど・・・私の知る範囲で、グッときたメンツをご紹介。

荒木経惟(アラーキー)

ボノ(U2)

デヴィッド・ボウイ

ダライラマ

ジョニー・デップ

ミラ・ジョボビッチ

ゴルバチョフ

デニスホッパー

オノ・ヨーコ

ショーン・ペン

スティーヴン・スピルバーグ

北野武

タランティーノ

山本耀司

ヴィヴィアン・ウエストウッド

ホーキング博士

 

思いの外、沢山居たので割愛します。

と、ものすごい顔ぶれなのであります。今は亡き人の名前もあるね。

 

10数年前に問われていたのか・・・それが今の社会だよ

実はもう14年も前の本なのだ!

刊行は2002年、翻訳版は2005年。

本のタイトルだけでは伝わりづらいので、副題と帯の文章を紹介したい。

自分にしかできないことを探す55のヒント

 

仕事。人生。楽しんでますか?

なんとなくこのままでいいのかな・・・と思っているすべての人へ。

 

私、この本、買った記憶がない。

おそらく大学時代に、もらった本。(間接的に)

 

他の学科では見たことないので、私の所属学科だけだろう。

教授たちがいらなくなった本を、研究室のエレベーター前のエントランスにずらーっと積んで「ご自由にどうぞ」という謎の棚卸習慣がありました。笑

研究費で購入したら、学校の本になる。(図書館の蔵書シール貼られてしまう)

そうではない本、つまり教授たちが自費で購入した本が、時々棚卸のごとく、エントランスに追い出されることが多々あったのだ。

そこで頂戴した1冊。

 

当時は面白そうだなと頂戴したものの、今の今まで眠っていました。

回答者の紹介半分、回答半分+分析という本の構成なので、とても読みやすいです◎

メルカリでも売っていたけど、アマゾン見ると倍以上の値段がするの。

貴重なのかも、この本。

 

原版からすれば17年も前に、「クリエイティブ」とは何か、を問うていたのだ。

何よりもそこに驚いた。

なぜなら、今まさに、社会がその時の流れにあると感じていたからだ。

物凄く時差を感じたけれど、本当に最先端にいる時ってこんな感じなのかもしれないね。忘れたころに時代が追い付く、とでも言えばいいのかな。

 

 

クリエイティブ の本質

勿論、みんなの回答はどれも興味深いものだった。ダライラマが寄せている文章(寄稿)はとても素敵でした。長いので、一部をご紹介します。

他者との喜びに満ちた協力関係のなかで、自覚的に知性を発揮し、さらに満ち足りた状況を生み出すのです。しかし、それには頭と心の両方を連動させる必要があります。それを仏陀は、知恵と共感のバランスと呼びました。

 

ちょっと難しい内容に聞こえるけれど、実にシンプルなのだ。

頭=知恵、心=共感 のバランス。

どちらかだけに傾くと、息苦しい社会になったり、動物っぽく(本能的に)なったりしてしまう。クリエイティブとは、そのバランスをどうとっていくのか。

そう言っているのではないでしょうか。

 

仏陀の言葉を引っ張ってくるところが、さすがでもあります。そう考えると仏教ってとても奥深いです。それよりも、仏教の教えを咀嚼して、今の社会へと説明できるところが、ダライラマの凄さな気がしました。

本当はずっと昔から問われているのかもしれません。「クリエイティブ」について。

 

クリエイティブ の語源

そもそも、クリエイティブの意味が広がってきている現代では、これを定義するのはなかなか難しい。単純に創造という意味で使っている場合が多いからです。もっと言うと、クリエイティブって日常的には「制作」に近い意味で使っていると思うのです。

 

Creativeは形容詞。元となった単語は動詞のCreate(クリエイト)です。

クリエイトの辞書的意味としては・・・

生うみ出だす・創造する・ゼロから新あたらしい物を作つくる。

 

もっと辿っていくと、ラテン語のcreareに由来します。そしてこのラテン語は、「神が創造する」というイメージを持つ動詞です。そこから派生した英語がCreate。

英語の文章で言えば、聖書のこの一文が良い例でしょう。

God created the heaven and the earth

この聖書の一節は「神、天地を創造(つくり)たまえり」と訳されることが多いです。

 

こんなこと言うと、クリエイティブ=天才って思ってしまいそうだけれど、人生の本質なような気もするんです。

神の創造と結びつくなら、猶更です。その命がまずもって、クリエイトされたわけだから。

 

 

おわりに クリエイティブという個性の発揮

この本を読んで、クリエイティブって、別にとりわけ凄いことを成し遂げることではない、と思いました。クリエイティビティと独創性とは、切っても切り離せませんが、それはつまるところ個性です。個性は誰しもが持っているものなので、なんら特別なものではない気がするんです。でもその個性を、どう活かしていけばいいのか。それが問われている時代、それがまさに「今」だと思うのです。

 

では、クリエイティブかどうか、その差は何か。

これについて本書の中にデイヴ・トロトの言葉で、こうまとめられている。

実際に行動するか否かだ。 

 

巷でもよく言われておりますが・・・、頭では分かっているものの、なかなかお尻があがらないですよね。へへへ。

 

だけど、なにも特別な事じゃないんです。(と、私は思います)

もっとシンプルでいいのではないかと。自分を生きる、それだけです。その生き方が、ひとそれぞれに違い、その表現方法、あるいは根源(理由)が違うだけなのだ。

 

そうは言っても、何をどうすれば、嗚呼!という人へ。

この本にあった、ベン・ノット(映画監督)の言葉をお届けします。

Listen 2 Your Heart;心の声に耳を澄ませ *1

 

 

自分の心の声、聞こえていますか?

 

今日はこの辺で。

またにゃん🐈

*1:著作権がなければ作品も転載するんだけどな。ああ、もう。活字で説明になりますが、この言葉の上には、耳が二つ鏡合わせのように並んでくっついていて💓の形をしています。そこに添えられているメッセージが、この文章です。