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near2図書館 館長こと、にゃんちー。私の読書感想文と、頭の中の本をご紹介。日々の徒然(凸凹日誌)

読書の面白さと共感という体験【読書感想文✍】

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こんばんは。にゃんちーです。

一番最初にどの本を載せようかと迷ったのだけれど、

私が今でも好きな、そして初めて、本って素敵!って思った作品を選びました。

絵本です。まさかの絵本だけれども。

 

私の読書記録改め、にゃんちー図書館に、この絵本を抜きにして本や読書について書けません。

大人になった今から振り返れば、読書っていうような本じゃないのかもしれません。

でも、当時の私はリトルにゃんちー(保育園児)であって、リトルにゃんちーには絵本は読書そのものでした。

 

ではさっそく。

は!その前に。ご紹介につきネタバレ御免。悪しからずm(_ _)m

 

 

 

 

『しろいうさぎとくろいうさぎ』 ガース・ウィリアムズ 文・絵 / 松岡 享子 訳  初版1965年 福音書館

 

 

保育園のころに、保育園から支給された絵本です。

だから絵本の裏ににゃんちーの名前がひらがなで書かれています…。ちーん。

当時も、そして今もこの本が大好きです。

未だに大切に持っています。そして時々読み返します。

 

私にとってこの絵本は、私の読書の原体験です。

 

 

あらすじ

 

しろいうさぎとくろいうさぎは、毎日いっしょに遊んでいました。でも、くろいうさぎはときおり悲しそうな顔で考えこんでいます。心配になったしろいうさぎがたずねると「ぼく、ねがいごとをしているんだよ」と、くろいうさぎはこたえます。くろいうさぎが願っていたのは、しろいうさぎといつまでも一緒にられることでした。それを知ったしろいうさぎはどうしたでしょうか?

 

あらすじの引用は福音書館から拝借。

ここから先のあらすじは、感想文を読みながらいっしょに追って行ってください。

 

 

読書の楽しさを知る 原体験(リトルにゃんちー)

 

 当時、この絵本が大好きだった一番の理由は、

大事に持っていて、いつも一緒に寝ていたうさぎのぬいぐるみが、この絵本のしろいうさぎにソックリだったからです。

絵本のこのしろいうさぎと同じように、ふわっふわだったんです。

今ではハゲチャビンになってしまいましたが…。しょんぼり。

 

話がそれちゃった…。もとに戻しまーす。

 

この絵本を読んで、初めて「共感」という体験をしました。

それもとびっきり秘密にしていた部分での「共感」でした。

 

普段心の中で思っていたそれは、まさにこの絵本のくろいうさぎの気持ちでした。

何故でしょうね…リトルにゃんちーは、それを決して口にしてはいけない気がしていて、あるいは自分で嫌っていたのか認めたがらなくて、誰にも言えませんでした。

育った環境もあるのかもしれません。

それでも、空気を読んじゃう(そして相手に確認もせず、そうだろうと決めつける)ところがありました。特に大人に対して。

 

 

この絵本のくろいうさぎは、大好きなしろいうさぎと毎日一緒にいるにも関わらず、時折お願い事をするんです。それも悲しそうな顔をして。

翻訳前の原文(英語)を読んでいないので、本当はどういう意味かは分かりませんが、お願い事となっている日本語訳は、心配事に近いかもしれません。

悲しい顔をしながらお願い事なんてしないんじゃないかなあ。

この絵本のくろいうさぎの悲しい顔は、漠然とした不安と恐怖心から来ていたんだと思うんです。

 

 まさに今、目の前にある幸せって、ずっと続くのかな?って。

 

よく言えば想像力がとても豊かなんです、くろいうさぎは。

でもその想像力が不安や恐怖心を煽る。

その不安や恐怖は、まだ現実には起きていなくて虚像なんですよね。

それでも、それが怖い。

なんなら、その心配事が現実になるんじゃないかと思うから、怖くなる。

 

確かにこれらは私の想像(本を読んで感じた、確認のしようがないこと)なのだけれど、きっと絵本のくろいうさぎが持っていたであろうこの気持ちが、この絵本を読んだ当時の、リトルにゃんちーの「共感」という体験でした。

なんだかすごくネガティブに聞こえますね…。根暗なもんで。はいー。

 

あらぬことを想像して、色んな不測の事態を脳内シミュレーションして、備えていたんです。今この年齢になっても、あります、こういう側面。

だから時々、この絵本を読み返すんです。

しろいうさぎに、背中を押してもらいます。

「もっと願ってごらんなさいよ!」って。叶うから、と。

そりゃ、願っただけで願い事が叶ったら、世界中の皆が幸せなんでしょうけど、そういうことではなくて、願っているうちに本当に脳みそがそう認識して、思考がポジティブに変換されていく気がします。

平たく言えば、前向きになる。

 

リトルにゃんちーは、当時そこまで考えていませんでしたが、

抱え込んでいたネガティブな感情の「共感」という体験は大きいものでした。

 

そんな気持ちが、自分の中にもあっていいんだと感じたのです。

そして、そのネガティブな気持ちは、きっと誰しもが持っているんだと知ったのです。

もっというと、それを上手にポジティブに変換することも教わったんじゃないかなと感じています。(そこは未だに出来てませんが。難しかー。)

 

この、「共感」という体験が、にゃんちーに読書の面白さを味わわせてくれました。

にゃんちーの ”読書世界への扉” が開いた瞬間でした。

 

根暗だな、ネガティブで嫌だなって自分にしょんぼりしちゃう時にでも、ぜひ読んでみてください。

その気持ち、悪いことなんかじゃないんです◎

しろいうさぎが寄り添ってくれるにゃん。(末尾だけ急にねこ語)

 

本日の1冊はここまで。

と、コツコツ続けていきたいなと思っています。

最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。