はらぺこあおむしの普遍性【読書感想文】
こんばんは。にゃんちーです。
気分と体調の浮き沈みが激しすぎて、船酔いしそうです。
体や心がちょとしぼんでる時って、本を読んでもどれもこれも刺激が強すぎて、拒絶反応がでちゃう。
でも何か寄り添うものがないかなー。本棚をガサゴソ。
そんな時は、ぜひ 大人にこそ この絵本をオススメしたい!
ということで、今日の1冊。
はらぺこあおむし エリック・カール
え!?って思ったかにゃ。
いわずとしれた名作の絵本なので、きっと誰もが読んだことがあるでしょう。
子供の頃に読んでいて、それっきりかもしれない。
自分に子供がいれば、読み聞かせをしたことくらいあるのかも。
この絵本、普通のやつと、ポップアップ(飛び出す)絵本と、愛蔵版といって小さいやつとか色々あるのだ!
ちなみに私は、愛蔵版をもっています。
宇宙は1つの点から始まる
「おや、はっぱのうえに ちいさなたまご。」
夜、お月様が、葉っぱの上にある小さなたまごを見つける場面から始まります。
みんな小さなたまごだったのだ。お母さんのおなかの中で。
でもそれって人間とか動物だけじゃなくて、万物に言えることで、全てたった1つの点から始まるのだ。
宇宙の始まりはビックバンだし。
この物語の始まり方は、そういう万物の法則を彷彿とさせます。
あおむしと一緒に成長していく
あらかたご存知かと思いますが、お月様が見つめていた ちいさなたまご から翌朝、あおむしが誕生します。
そう、はらぺこあおむし。
月曜日にはりんごを1つ、火曜日はなしを2つ・・・と食べていく。
ここ、絵本だと食べ物のところに穴が空いていて指をいれられる。
その過程って、あおむしが食べ物をむしゃむしゃ食べている時みたいな感覚を、自分の指で味わえるんだと思う。
そうやって、絵本を読んでいる人も、あおむしと一緒に大きくなっていく。
この絵本は本当によくできていて、日曜日からはじまって、翌朝が月曜日、火曜日・・・と曜日も覚えられるし、時間感覚も分かるようになっている。
時間とともに成長することも教えてくれている気がするの。
欲張るとお腹をこわすぞ!
何を食べても、はらぺこなあおむし。
土曜日には超贅沢をして、ケーキとアイスとピクルスと・・・って色々なものを食べるんです。(食べ物の組み合わせが異常で気になっちゃうにゃ。笑)
そしてしまいには、お腹が痛くなって泣いちゃうの。
翌朝、あおいはっぱを食べたら、あおむしは すっかり元気になるのです。
子供に向けては、お菓子ばっかり食べてないで野菜も食べてねという意味かしら。
あるいは、食べ物って大事だよ、ちゃんと体にあったものを食べてね、という意味かもしれません。
でも、大人になった私が読むと、欲張るとお腹を壊す、という意味にとれたんです。
質素が良いとは思っていません。そういう美徳、ないので。欲張りになるからこそ、もっと上を目指せるんだと思っています。
野心や向上心からくる前向きな欲張りという意味ではなくて、無差別というのか、やみくもに何でも食べればいいってことじゃないのだ!ということだと感じたのです。
絵本では食べ物なんだけど、実際は食べ物だけじゃなくて、目的もなく欲望のままに走ると痛い目みて泣くんだぞっ!て言われた気がしています。
きっと綺麗な蝶になれる
最後は希望でいっぱいです。
いっぱい食べて、いっぱい寝て。(これって、生活の基本ですね)
何に成れるかは分からないけれど、大きくなったらきっと綺麗な蝶になれる。そんな希望をもって生きていってほしいといったようなメッセージを感じます。
この絵本はあおむしだけれど、自分が今、何の幼虫かはわかりません。もっとも、自分がいつ成虫として羽ばたけるのか、いつさなぎから出るのかも分かりません。
虫の種類によっては何年も幼虫のままで眠っていますよね。
大人になってもなお、幼虫かさなぎかもしれません。それでもいいと思っています。
大人だって、いっぱい食べて、いっぱい寝て、きっと「何か」になる時がくる。
私はそう思っています。
それには、あおむしにとってのあおいはっぱの様に、自分にあったものを見つけることが大事なのではないでしょうか。食事もそうだし、生活リズムとか、仕事だってそうです。心地よいものを見つけていく、そんな大事なことを教えてくれている気がします。
最後に
絵本に限らず、本の解釈は自由です。
絵本って、どこまでも想像できるので、大人になって読むと子供の頃には感じられなかった奥深さを掴むことが出来る。
子供の娯楽としての絵本でもありますが、長きに渡り読み継がれていくものは、とても刹那的で普遍的なメッセージを含んでいると思うのだ。
そういう本があること、もっと大人にこそ知ってもらいたいなって思うんにゃ!
今日はこの辺で。
またにゃん。